【専門家が解説】産後の骨盤のゆがみと不調｜いつからケアする？何をすればいい？
「産後、身体が戻らない…」
「腰痛や尿もれが続く…」
当院では、産後の骨盤は“歪んだまま固定される”のではなく、
妊娠・出産・育児で変化した筋機能や姿勢のクセが不調の原因と考えています。
この記事では、産後の身体がどう変わるのか、そして何をすると回復しやすいのかを、専門家としてわかりやすくまとめました。
■ 産後の身体はどう変化するのか？
① 妊娠中の姿勢変化（sway-back姿勢）
妊娠が進むと、
- 乳房の増大
- お腹の増大
によって重心が後ろへズレ、sway-back（スウェイバック）姿勢になりやすくなります。
・骨盤が前方へスライド
・背中が丸くなる
・頭が前へ出る
この姿勢は産後も残りやすく、不調の原因になります。
② 出産時に起こる骨盤底筋の変化
分娩では、
- 陣痛に合わせた腹圧
- 骨盤底筋への伸張ストレス
- 呼吸パターンの変化
といった大きな負荷がかかります。
そのため、産後は骨盤底筋の機能が低下しやすく、次のような症状につながります：
- 尿もれ
- 下腹ぽっこり
- 腰痛
- 姿勢が安定しない
③ 育児姿勢による負担（片側抱き・授乳姿勢）
産後は、
- 前かがみの授乳姿勢
- 片側抱き
- 長時間の抱っこ
など、同じ姿勢が続きやすく、これが左右差・姿勢の崩れを強めてしまいます。
■ 当院の考える「産後ケア」の本質
当院では、骨盤を無理に動かす矯正だけに頼るのではなく、
妊娠・出産・育児で変化した身体機能を整えることを、最も大切にしています。
つまり、目的は「骨盤を曲げる・戻す」ではなく、
機能を回復させ、ラクに動ける身体をつくること
■ 当院の評価（どこに負担があるのかを丁寧にチェック）
① 姿勢評価
- sway-back姿勢の有無
- 胸郭と骨盤の回旋差
- 右軸旋回
- 臍の位置変化
② 動作評価
- 骨盤の前後傾のタイミング
- 肋骨・胸郭の動き
- 腰椎の柔軟性
- 股関節との連動
- 抱っこ・授乳動作のクセ
- 呼吸パターン
③ インナーユニットの働きの確認
- 横隔膜
- 腹横筋
- 多裂筋
- 骨盤底筋
これらが整うと、自然と姿勢が安定します。
■ 当院で行う産後ケア
① 骨盤まわり・股関節の柔軟性調整
硬くなった筋肉をやさしく緩め、動きやすさを引き出します。
② 呼吸の再学習（横隔膜の調整）
呼吸が整うことで体幹が安定し、姿勢がラクになります。
③ 腹横筋・骨盤底筋の再教育
産後に低下しやすいインナーユニットの働きを整えます。
④ 胸郭の可動性改善
授乳などで固まりやすい肋骨・胸郭を整えます。
⑤ 育児動作の改善アドバイス
抱っこ・授乳・片側負担など、日常動作をラクにするコツをお伝えします。
■ まとめ：産後の不調は「歪み」でなく“機能の変化”が原因
産後の不調は、骨盤がズレたというよりも、
妊娠・出産・育児で変化した筋機能や姿勢のクセが原因です。
適切にケアをしていけば、産前よりラクに動ける身体へ近づくことも十分可能です。
「産後の不調を改善したい」「元の体型に戻したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
■ ご予約・お問い合わせ
はりねずみ鍼灸整骨院・整体院
熊本県玉名市山田1750−10TEL：0968-82-8901
《受付時間》
月・火・木・金｜9:00〜13:00 / 15:00〜20:00
水｜休診
土・日｜9:00〜14:30
コメント